脂肪性浮腫とは?
脂肪性浮腫とは?
脂肪性浮腫とは?
脂肪性浮腫(Lipedema)は、主に女性に見られる慢性的な疾患で、皮下脂肪組織の異常な蓄積とむくみを特徴とします。この疾患は、思春期、妊娠、更年期などのホルモン変化の時期に発症しやすいとされています。
症状と特徴
脂肪性浮腫の主な症状には以下のようなものがあります:
対称的なむくみ:特に脚や臀部に見られ、左右対称に現れることが多いです。
痛み:触れると痛みを感じることがあり、圧痛が特徴です。
皮膚の変化:皮膚が柔らかく、触るとオレンジの皮のような凹凸が見られることがあります。
あざができやすい:毛細血管が壊れやすく、軽い圧力でもあざができやすいです。
重症度には4段階あります。
Stage1:軽度で皮膚の変化がまだ少ない時期、
Stage2:皮膚に凹凸の変化が見られて“オレンジピール”と呼ばれ、夕方には圧窩性浮腫が見られる時期、
Stage3:体重増加も顕著で明らかな下肢の変形、皮膚色の変化を伴い日常生活にも不便が感じられる時期、
Stage4:全身に及んでリンパ浮腫を伴う時期。
浮腫みが出る部位からも
Ⅰ型:臀部、
Ⅱ型:臀部から膝、
Ⅲ型:臀部から足首、
Ⅳ型:脚だけでなく腕も、
Ⅴ型:脂肪リンパ浮腫(Lipo-lymphedema)
に分けられています。
Cleveland Clinic. All Rights Reserved クリーブランドクリニックホームページより引用
美容医療で言われているセルライトとはオレンジピール様の皮膚変化を指しますが、医学的にはリンパ性うっ滞と結合織の浮腫性変化、皮下脂肪組織の増殖を指しています。
原因とリスク要因
脂肪性浮腫の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、ホルモンの変化や遺伝的要因が関与していると考えられています。また、肥満や運動不足もリスク要因とされています。
診断と治療
脂肪性浮腫の診断は、臨床症状や画像診断(超音波、MRIなど)を基に行われます。治療には以下の方法があります:
・手動リンパドレナージ:リンパ液の流れを促進し、むくみを軽減します。
圧迫療法:弾性ストッキングや包帯を使用して、むくみを抑えます。Stage2が主な適応になります。
・運動療法:特に水中運動が効果的で、関節への負担を軽減しながらリンパの流れを改善します。
・食事療法:抗炎症食を取り入れることで、症状の改善が期待されます。
生活の質の向上
※脂肪切除術や脂肪吸引術はリンパ管を損傷して本当のリンパ浮腫の原因になることがありますので注意が必要です。
脂肪性浮腫は慢性的な疾患であり、完全に治癒することは難しいですが、適切な治療と生活習慣の改善により、症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。早期の診断と治療が重要であり、専門医の指導の下で適切なケアを受けることが推奨されます。